2024/10/24
10月も最後の週に入りました。受験勉強も本格的になってきているところですが、学校推薦型や総合選抜型で年内に大学受験を迎える生徒にとっては、まもなく戦いの火ぶたが落とされます。今日も何人かの3年生と話をしましたが、みんな緊張と不安が交錯する表情をしていました。
「準備は万端ですが、本番が不安です」
「どんな問題が出るか心配でたまりません」
「過去問と傾向が変わったらどうしよう」
そうです、不安が尽きないのは当然ですよね。
あれこれ心配しても仕方がないので、とにかく今は目の前にあるやるべきことにしっかりと集中して欲しいと思います。不安になるのは人間誰でも一緒です。もちろんそれは私も全く同じです。ただ、私にはそんな状況に置かれた時に必ず思い出すようにしていることわざがあります。
「人間万事塞翁が馬」
それはこんな話に由来します。
中国の北の方に占い上手な老人が住んでいました。
さらに北には胡(こ)という異民族が住んでいて、
国境には城塞(砦)がありました。ある時、その
老人の馬が北の胡の国の方角に逃げていってしま
いました。
老人が済んでいる北の地方の馬は良い馬が多く、
高く売れるので近所の人々は気の毒がって老人を
なぐさめに来ました。
ところが老人は残念がっている様子もなくこう言
いました。
「このことが幸福にならないとも限らないよ。」
そしてしばらく経ったある日、逃げ出した馬が胡の
良い馬をたくさん連れて帰ってきました。そこで近
所の人たちがお祝いを言いに行くと、老人は首を
振ってこう言いました。
「このことが災いにならないとも限らないよ。」
しばらくすると、老人の息子がその馬から落ちて
足の骨を折ってしまいました。近所の人たちがかわ
いそうに思ってなぐさめに行くと、老人は平然と言
いました。
「このことが幸福にならないとも限らないよ。」
1年が経ったころ、胡の異民族たちが城塞を攻撃し
てきました。城塞近くの若者はすべて戦いに行きま
した。そして、なんとか胡から守ることができまし
たが、その多くはその戦争で死んでしまいました。
しかし、老人の息子は足を負傷していたので、戦い
に行かずに済み、無事でした。
この話は物事の浮き沈みに一喜一憂してはいけない!
ということを教えてくれます。上手くいっている
ときも慢心せず、上手くいっていない時も落胆せず、
いつも心を整えておくことの大切さを教えてくれる
ことわざです。私はこのことわざを常に心に留めて
毎日を過ごしています。
皆さんも一時の結果に惑わされず、その時の状況を
冷静に受け止めて、日々を過ごして欲しいと思います。