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非認知能力を磨く

2024/9/6

今日は終日、明日に迫った昌平祭(文化祭)の準備日です。真夏に逆戻りしたような猛暑の一日となりましたが、どのクラスも準備に慌ただしく走り回っていました。あちこちのクラスが、放課後遅くまで準備に取り組んでいました。
初日の明日も暑さが続く予報となっていますが、熱中症対策をしっかりした上で大いに盛り上がってくれることを期待しています。
文化祭や体育祭といった学校行事は、授業とは大きく異なる学びの場です。ひとつの学校行事を通じて、人として生きていく上で必要な沢山のことを学ぶことができます。
授業で身につく「学力」は、いわゆる「認知能力」=「知的能力(IQ)」を表します。認知能力は、一般的な知能検査やテストで測定することができます。
それに対して、学校行事を通じて身につく「力」は、「非認知能力」と呼ばれ、「人間力」や「生きる力」と言いかえることもできます。また、「こころの知能指数(EQ)」という言い方で表現されることもあります。こうした非認知能力はテストや試験などで図ることができない力ですが、生きていく上では欠くことのできない必要かつ大切な力です。
昨今、この「非認知能力」や「EQ」の重要性がさまざまなところで注目されています。

日本電産代表取締役会長である永守重信さんは、著書『大学で何を学ぶか』(小学館新書)に次のように書かれています。

 ところで、人間の能力には知能指数の「IQ」と感情指数の「EQ」の2つがあるといわれている。IQの高い人は知能が高いため、当然、学校のテストでは有利になる。これまでの日本企業でもIQの高い人材が重宝されてきた。しかし、IQの高い人材が社会に出て成功するとは限らない。医学部試験に受かった人が必ず立派な医者になるわけではないし、有名大学の卒業者だけが会社に入って売り上げをあげたり、新製品を開発したり、リーダーシップを発揮できるというわけではない。特に今は昔とは経済環境が激変しており、単に頭の良い人が成功する、あるいは性能の良い製品をつくりさえすれば売れるという時代は終わっている。こうした時代の変化とともに、企業の求める人材も知能が高いだけの人材から、人間としての総合力が高い人材に変わってきている。つまり、EQの高い人である。EQとは感情の豊かさを表す能力のことで「心の知能指数」とも呼ばれているが、意欲や矜持(きょうじ)を生み出す原動力になるものであり、まさに人間力といえるだろう。

一般にEQが高い人は行動や言葉によって人を感動させることができ、また共感能力にも優れている。困難な課題にぶつかったときにも、身体中からほとばしるような熱意で、最後までやり抜くことができる。「このことなら他の誰にも負けたくない」「この分野では絶対に一番になる」という情熱や、自分は必ずやり遂げるという矜持、できるまでやるといった粘り強さなどもEQによるものだと私は考えている。大学卒業後、社会に出た後はこうした力を持った人が多く成功している。今後、AI化が進めば、こうした人間力がより必要とされるようになるはずだ。

昌平祭の取り組みを通して、コミュニケーション力や協調性、先を読む力や想像力を鍛えることができます。また、人の嫌がることを率先して引き受けたり、来校者への心遣いなどホスピタリティを磨くこともできます。さらに、飲食の在庫管理や安全な誘導など危機管理能力を高めることも可能です。たかが学校行事と侮るなかれ、本当にたくさんのことを学ぶことができるはずです。そして、こうした取り組みを通じて、知らず知らずのうちにEQが向上していくのです。そのためには、とにかく本気で、一生懸命に取り組むことが大事です。何事に対しても本気で、目いっぱい、全力で取り組んで欲しいと思います。その先には、まだ見ぬ自分自身の可能性が待っているのです。

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