2025/1/25
マレーシア語学研修は、当初の予定通り5日間のサンウェイ大学でのプログラムを終了しました。土曜日はクアラルンプールを観光したのち、帰国の途につきます。
研修4日目(木曜日)のハイライトは、もしかすると放課後のテイラーズ大学訪問だったかもしれません。夕方の渋滞で予定をだいぶ遅れて到着した私たちを出迎えたのは、本校卒業生の重野さんと高草木さんでした。彼らにキャンパスを案内してもらい、マレーシアでの大学生活について率直に教えてもらいました。立体的、複層的なモダンなつくりが印象的なキャンパスのなかでも4階建ての図書館設備は圧巻です。その図書館を案内している間にも、彼らはすれ違う多くの学生と親しげに挨拶を交わしており、二人がいかにコミュニティに溶け込んでいるか、がよくわかります。その夜は、希望者を募り二人の案内によって地元の人が集まる屋台街を訪問し、マレーシアの夜空の下、多国籍な料理を堪能しました。
研修5日目(金曜日)には、生徒たちがFilm Shooting Studio Workshop で4日間にわたり製作した”Mini movies”をいよいよ披露しました。4グループに分かれた生徒たちは、School of Arts(芸術学部)の講師に導かれ、思い思いのテーマに基づき、キャンパスや寮を駆け回り、習ったばかりの撮影技法を駆使してロケを行いました。編集でカット割りに工夫をしBGMを加え、最終的にそれぞれ素晴らしい映像作品をつくってくれました。大画面に映し出されたショートムービーはどれもストーリーが聴衆に良く伝わるもので、ホラーやコメディの要素がちりばめられた素晴らしい作品でした。講師の一人Roger先生は「期待以上の出来だ!」と驚いていました。なんでも、あるグループは前日の編集作業が深夜に及んだそうです。「限られた時間の中でクオリティの高い作品をつくる」という芸術学部の学生そのままの経験ができました。
そして、この日もう一つのハイライトは、School of Hospitality & Service(ホスピタリティ&サービス学部)による、”Coffee Workshop”です。2グループに分かれ、生のコーヒー豆をローストする作業を体験し、また淹れ方の違いで味がどう変わるのかテイスティングをしました。飲み物として私たちの前に提供される前の工程を見ることで、コーヒーの奥深さの一端に触れた思いです。ただ、普段あまりコーヒーを飲まない一部の生徒にとっては、文字通り「苦い」経験だったかもしれません。ここの料理学科(Culinary)に所属する鹿児島からの学生(るなさん)にも手伝って頂きました。彼女の気の利いた働きぶりを見ていると、さすがホスピタリティ学部とうならされます。世界中の有名ホテルに人材を送り込んでいるのもうなずけます。
研修最終日の夜を飾るのは、サンウェイグループの5つ星ホテルSunway Resort Hotel & SpaでBuffet形式のFarewell Dinnerです。これまで学食の料理を堪能した子も口に合わなかった子も、ここぞとばかり皆思い思いの皿をテーブルに運び、春節(Chinese New Year)の華やかさを見せる会場で、異国の料理に舌鼓を打ちました。
こうして出発前夜に生徒が良い笑顔を見せてくれて、引率者として安堵しています。というのも、今回のマレーシア語学研修は昌平中高として初めての試みであり、実際に来て体験してみないとわからないことが数多くあったからです。スケジュールが直前で変わることが何度かあり、寮備品の問題もありました。そのような中、研修に参加した生徒たちは時に臨機応変に時におおらかに、目の前の出来事を受け止め対応してくれました。私は、その姿勢こそ、私たちがマレーシアの人たちに見た「前向きな生き方」だと考えています。多くの民族、言語、宗教が入り混じる国で、人々が互いを思いやり協力する姿がそこかしこに見られました。そして何よりも人から人に伝染する「笑顔」の溢れていること。「多様性の尊重」とはお題目ではなく、日々の「実践」そして「生き方」そのものなのだと学んだ旅でした。