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当たり前の大切さ。

2025/1/21

今日は午前中で授業を終了し、明日からの入学試験の会場準備が行われました。埼玉県内では私立高校の入学試験の開始日が明日22日と定められています。本校では明日からの2日間、推薦入試が行われます。受験生が気持ちよく試験に臨み、実力を発揮してくれることを願いながら、校内の清掃と試験会場の整備が行われました。明日の天気が心配されるところですが、今のところ雨などの予報は出ていないようです。受験に向けて続けてきた努力が実り、受験生の皆さんに桜の花が咲くことを願っています。願わくば来春、本校で一緒に高校生活をスタートで切れば何よりなのですが…。
落ち着いて最後の最後まで、あきらめずに試験問題に向き合って欲しいと思います。

会場準備に先立って、今朝も出勤後に校内を散歩していると、あるクラスの黒板に書かれている言葉が目に留まりました。それがこちらの写真です。
 
黒板にはこのように書かれていました。

  【凡事徹底】
 〇授業の開始・終了時の挨拶は大きな声で!
 〇授業開始前に着席を完了させる!
 〇とにかく集中して手を動かし続ける
 〇授業者が授業を行いやすい雰囲気を作る
 〇上記を全員で実行する!!

一見すると本当に基本的なことばかりが書かれています。高校生にとっては次元が低いのでは…、と思う人もいるかもしれませんが、このクラスは強化部に所属して全国大会出場を目指すと共に、高いレベルでの大学進学を目指す真の文武両道を実践しているクラスです。この「凡事徹底」とは「当たり前のことを徹底的に突き詰めて実行すること」ですが、これは私が校長として今年度のはじめに先生方へお願いしたことです。その思いをクラス全体で共有し、目に見えるところに掲げて常に意識していることは、正にこのクラスの目標達成にふさわしいことだと思います。ひとつ一つは本当に当たり前で些細なことばかりですが、これらを常に徹底してやり続けることこそが、掲げた大きな目標への近道だと思います。ただし、これらを実行に移すことは、実はそんなに簡単なことではありません。

松下電器産業(現パナソニック)の創業者で経営の神様として知られる松下幸之助さんは、社員の教育方針としてこの「凡事徹底」を掲げていました。松下さんが掲げた「凡事」は、「整理」「整頓」「清潔」「清掃」「しつけ」の5Sに始まり、道を歩く時はポケットに手を入れない、靴を脱いだらまっすぐに揃えるといったようなごくごく当たり前のことばかりでした。日頃からこのような身の回りのことをきちんと行う習慣を身につけさせることで、優秀な人材を育て上げたのです。今や世界的な大企業となったパナソニックですが、その人材育成の原点が「凡事徹底」であることは、私たちにとても多くのことを教えてくれます。
学校は学力を高め知識を身につける場所ですが、同時に人間力を身につけた未来を担う人材を育てる場所でもあります。教室の黒板に手書きで書かれた「凡事徹底」の言葉を見た時に、担任の先生がクラスの生徒たちに伝えたい熱い思いを強く感じました。人を育てることは一朝一夕にできることではありません。毎日毎日の当たり前の積み重ねの先に、人間としての成長が待っているはずです。これからも「凡事徹底」の意識を学校全体で共有しながら、未来を担う人材の育成に取り組んでいきたいと思います。今朝は朝からとても気分のよい一日となりました。

原則の徹底が価値を生み出す | 2014年5月号 | 事業構想オンライン

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