今朝、共通テストまでのカウントダウンボードを見ながら、ふと自分の学生時代を思い出していました。そして、大学生から社会人になった時のことを漠然と思い返してみました。
私の社会人としてのキャリアは一般企業からスタートしました。元々教員が第一志望でしたが、一般企業で社会人経験を積んでからでも遅くないと考え、大学卒業後は旅行会社に就職しました。旅行会社では教育旅行の担当として、修学旅行や校外学習、海外研修などの企画、営業、添乗業務に従事していました。バブル景気の名残りが残る時期でもあり、仕事は常に途切れず、毎日のように日付が変わるまで忙しい日々を過ごしていました。当時は猛烈に働くことが美徳で、家族を振り返る余裕などないままに、あっという間に8年間が過ぎていきました。それでも仕事の充実感は何物にも代えがたいほど大きく、一本のツアーが終わった時の達成感は今でも忘れられません。それでも教員への夢が消えることは無く、ご縁をいただいた私立高校へ30才の時に転職しました。昨年4月から本校での勤務を始め、今年で教員生活も26年目を迎えたところです。
ふと昨今の企業ではどのような人材が求められているのかを知りたくなり、インターネットで色々と検索してみました。コミュニケーション力や問題解決力が不可欠なスキルとなっていることは承知していましたが、何か裏付けとなるようなデータを求めていたところ、日本経済団体連合会（経団連）のホームページにたどり着きました。そこでは経団連が2022年1月に発表した「採用と大学改革への期待に関するアンケート」の集計結果を見ることができました。このアンケートは従業員が1,000人以上の企業を中心にとした381社を対象に行ったアンケートです。その質問項目に「採用の観点から、大卒者に特に期待する資質・能力・知識」というものがありました。
アンケート結果は以下のようなものでした。

■特に期待する資質
①主体性　（84.0％）
②チームワーク・リーダーシップ・協調性　（76.9％）
③実行力　（48.1％）
④学び続ける力　（36.2％）
　　
■特に期待する能力
①課題設定力・解決能力　（80.1％）
②論理的思考力　（72.1％）
③創造力　（42.6％）
④傾聴力　（35.9％）
⑤発信力　（35.1％）

■特に期待する知識
①文系・理系の枠を超えた知識・教養　（84.7％）
②専攻分野における基礎知識　（75.8％）
③専攻分野おける専門知識　（61.8％）

この結果はある程度予想していたものでしたが、各分野で80％を超えた「主体性」「課題設定力・解決能力」「文系・理系の枠を超えた知識・教養」の3項目については、極めて高い割合で企業から求められていることを痛感しました。本校もほとんどの生徒が大学へ進学しますが、そこで身につけておくべき資質・能力・知識を改めて知ることができ、とても参考になりました。今後、校長講話や式辞などを通じて生徒たちに伝えていきたいと思います。学力が重要なことは言うまでもありませんが、それと同時に身につけておくべきことを今後も伝え続けていきたいと思います。