2020/3/12
教室のカレンダーに、韓偓(かんあく)が詠んだ四行詩がありました。
辛夷方謝小桃發 蹋青過後寒食前
四時最好是三月 一去不回唯少年 「三月」
我流で口語訳するなら、こんな感じになりましょうや。
こぶしの花がしぼみ 桃の花が開く
草原を踏みしめ歩く この「寒食」(中国の古い風習で、冬至から百五日目に火気を断って冷たいものを食すること)の前
1年の中で最も素晴らしい季節は、三月
(美しい春が繰り返し廻り来るのに比べ)再び帰って来ないのは年若き日々だけである
主役である生徒の居ない校内は寂しいものです。と同時に、見えないが故に高校生の若きエネルギーを実感します。「年少(わか)き」力のあふれる三月。巷は何かと不安且つ慌ただしい日が続きますが、どんな時でもこうした一編の詩を楽しむ風情は忘れたくないものです。校内を散策すると、時としてこうした良い詩に巡り合えます。生徒諸君も、人込みは避けるべきですが、自宅周辺を散策してみてください。新たな発見があるはずですよ。来年こそは素晴らしき3月でありますように。
昨夜来の雨も止み、今朝は素敵な青空。降り止まない雨はありません。明日になれば鳥も歌うことでしょう。